1. 科目の特徴
「資産運用知識」は、個人が資産運用するうえで基本となる知識に焦点を当てた内容です。
金利の基本的な考え方、景気と経済動向に関する基礎知識から始まり、債券や株式、投資信託といった代表的な金融商品まで幅広く学びます。業界共通教育制度の中で深く触れない内容が多く、知識の使いまわしが効きにくいため、難しいと感じる人も多いようです。
2. 試験の難易度
平均合格率67.2%(6科目中5番目)と、生保講座のなかでは2番目に難しい科目です。2011年のカリキュラム改定後、2012年・2015年は合格率が6割に届かず、直近でも8割を下回っており難易度は高いと言えます。
年度 | 合格率 |
---|---|
2011 | 69.9% |
2012 | 59.4% |
2013 | 70.4% |
2014 | 62.0% |
2015 | 59.7% |
2016 | 71.4% |
2017 | 77.6% |
最高 | 77.6% |
最低 | 59.4% |
平均 | 67.2% |
3. どんな内容なの?
テキストは9章構成となっています。6科目の中ではテキストの分量が最も少ない科目です。1章・2章の全般的な金融知識についての内容は2割程度で、3章以降の各金融商品に大きく分量が割り振られています。各章の概要は下記の通りです。
第1章 金融商品の基礎知識
1.金融商品やローンの内容を学ぶ前の基本となる金利と利回り等について金利計算の基礎を理解する。
2.実務に役立つ6種類の係数表の見方と使い方を理解する。
第2章 金融商品
1.景気・経済の動向に関する基礎的知識を理解する。
2.銀行等が取り扱う金融商品のうち、預貯金を理解する。
3.財形貯蓄制度の特徴と要件を理解し、非課税制度や利用上の注意点を理解する。
4.障害者等に対する非課税貯蓄制度の制度内容を理解する。
第3章 債券
1.債券の特徴や種類を理解する。
2.債券の発行条件、債券の格付けや流通市場を理解する。
3.債券の売買と債券に関する税金を理解する。
4.債券の利回り計算を理解し、変動要因による市場金利と債券価格の相関関係を理解する。
5.代表的な債券について理解する。
第4章 株式
1.株式、株式市場、株式の売買、相場指標などの株式の基礎を理解する。
2.投資指標である配当利回り、配当性向、PER、PBR、ROEが株式の評価をするうえでどのような指標となるかを理解する。
3.配当課税、キャピタルゲイン課税、損益通算、NISAなど株式にかかる税金を理解する。
4.身近な株式商品である「ミニ株」「るいとう」および、分散投資の手法として時間分散におけるドルコスト平均法を理解する。
第5章 投資信託
1.投資信託の内容と仕組みを理解する。
2.投資信託の基本的な分類を理解し、その他の分類により投資信託の特徴を理解する。
3.投資信託の売買における費用、基準価格、個別元本方式による課税の計算方法、換金方法を理解する。
4.代表的な投資信託商品を理解する。
5.日本の投資信託の今後の広がりを確定拠出年金との関係から理解する。
第6章 その他の金融商品
1.転換社債型新株予約権付社債の特徴や諸条件、売買について理解する。
2.その他の金融商品(新株予約権付社債、ラップ口座、純全積立、商品ファンド)を理解する。
第7章 外貨建て金融商品
1.円高、円安の意味や為替レート、課税関係などについて理解する。
2.外貨建て金融商品のうち、代表的な外貨預金の損益分岐点や課税関係について理解する。
3.外国投資信託の代表的な商品である外貨建てMMFを理解し、あわせて外貨預金との違いを理解する。
4.外国債券や外国株式を理解する
第8章 金融資産の保護制度
1預金保険制度の対象金融機関や対象金融商品と対象外金融商品を理解する。
2.預金保護の範囲を具体的に理解する。
3.生命保険会社における生命保険契約者保護機構や証券会社における日本投資者保護基金を理解する。
4.金融機関の選択について理解する。
第9章 不動産
1.不動産に関する基礎知識を理解する。
2.不動産の活用方法ついて理解する。
3.マイホームに関する知識を理解する。
※出典:生命保険協会「生命保険大学課程テキスト 資産運用知識」より各章の学習のねらいを抜粋
その他参考
試験まで時間がない方は、テキストより先に過去問から取り掛かることをおすすめします。併せて過去問解説もご活用ください。過去問解説はこちら↓
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