旧形式の過去問も解くべきか?新形式との違いを解説

2020年、他の業界共通教育制度の試験同様、生命保険講座も紙試験からCBT形式の試験に変更されました。この記事では新旧形式の違いと旧形式の過去問の扱い方について解説します。 

  • 新形式と旧形式の違いをまとめました。
  • 旧形式の過去問を使用する際の注意点がわかります。
目次

受験形式の新旧比較

CBT形式に変更され、試験日が分散したことや受験会場が増えたこと、試験結果の開示が早くなったことなど、受験者の利便性は高くなりました。一方で、原則持ち込み不可となったことや受験費用がやや高くなったことはネガティブといえるでしょう。

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【出題形式の比較】旧形式新形式
形式マーク式試験CBT形式
実施日一律分散
時間90分80分
場所協会指定業者指定
持ち込みHB以上の鉛筆、
消しゴム、電卓等
原則不可
費用2,130円/1科目2,280円/1科目

出題形式の新旧比較

新形式(CBT)の出題形式は、旧形式を踏襲しており新旧で大きく変わりません。内容面では、新形式はやや易化した分、試験時間が10分短くなったというところでしょう。

基本的に新形式の出題形式は旧形式から引き継がれていますが、新形式での主な変更点は下記の3点です。なお、配点には変更ありません。

①大問設定がなくなった
②問題1~20(旧形式の問題1に相当)が5問づつ4題に変更
③問題41~50(旧形式の問題5に相当)が5肢問題に変更

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問題新形式旧形式配点
問題1~20
(旧問題1)
穴埋め問題。
語群の中から適切なものを選択。
(5問ずつ4題)
穴埋め問題。
語群の中から適切なものを選択。
(10問ずつ2題)
【20点】
1点×20問
問題21~25
(旧問題2)
3肢問題。正しいものを選択。【20点】
4点×5問
問題26~30
(旧問題3)
3肢問題。間違っているものを選択。【20点】
4点×5問
問題31~40
(旧問題4)
正誤問題。正または誤を選択。【10点】
1点×10問
問題41~50
(旧問題5)
5肢問題。
正誤と語句の適切な組み合わせを選択。
下線部の正誤を選択し、
語群から適切なものを選択
【30点】
3点×10問

旧形式は解くべきか?

テキストの改訂

受験形式が新形式に変更にあたり、教材の切り替えや出題内容の大幅変更はありませんでした。テキストは毎年少しずつ改訂されていますが、これまでに教材そのものの変更はなく、自学自習形式が導入された時点である昭和54年に発行されたものをベースにしています。

なお完全に余談ですが、テキストの各章末に設定されている「演習問題」は、マーク式試験が導入される前の筆記試験時代の名残だと思われます。

直近の主だった変更は、2016年(平成28)年5月施行の改正保険業法への対応で、2015年に業界共通教育各課程テキストと合わせて生命保険講座のテキストも改訂されました。

参考:改正保険業法(2016年5月~)のポイント

①保険募集の際の情報提供義務・意向把握義務などの保険募集に係る基本的ルールの創設

②代理店などの保険募集人に対する体制整備義務の導入

旧形式の過去問の扱い方

  • 旧形式の過去問はまだまだ有用。2016~2019年の過去問はそのまま使えます。
  • ただし優先順位は高くありません。直近の過去問から取り組む方がよいです。

旧形式の過去問は、試験対策としてまだまだ有用です。ここまで見てきた通り、新形式もこれまでの試験形式を踏襲しており、テキストも小幅改訂にとどまったためです。
法令改正以降の2016~2019年の過去問についてはそのまま使って差し支えないでしょう。ただし、優先順位は高くありません。傾向と対策という面でも、昔の過去問は直近の傾向を反映していないため直近の過去問から取り組んでいくほうがよいです。

出典

・プロメトリック社プレスリリース「プロメトリック、生命保険協会が実施する生命保険業界共通試験・生保講座試験のCBT配信を2020年4月より開始」

https://www.prometric-jp.com/news/archives/5

・生命保険協会「平成 26 年改正保険業法(2年以内施行)に関するQ&A」

https://www.seiho.or.jp/activity/guideline/pdf/insurance_law_qa.pdf

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