1. 科目の特徴
端的に言えば、「生命保険計理」という科目は、数学を使って生命保険の仕組みにアプローチするという内容です。業界共通教育制度(一般課程・専門課程・応用課程・生命保険大学課程・変額保険販売資格・外貨建保険販売資格)の内容とは一味違い、単純な一問一答の文系科目ではないは明らかです。
他の科目同様にテキストの表現の堅さに加え、指数の計算や数列の和といった高校数学が当然のように登場することもあり、難しいという感想もよく耳にします。
2. 試験の難易度
平均合格率73.6%(8科目中7番目)となっており、難しいと言っていいでしょう。試験の内容も他科目と異なり、計算問題が多数含まれるからか苦戦する受験者が多い印象です。数学に苦手意識がある人やブランクがある人は特に十分な準備をしておくことをおすすめします。
開催年 | 合格率 |
---|---|
2008 | 72.2% |
2009 | 74.5% |
2010 | 84.5% |
2011 | 76.9% |
2012 | 81.9% |
2013 | 68.9% |
2014 | 59.8% |
2015 | 78.6% |
2016 | 70.5% |
2017 | 68.6% |
最高 | 84.5% |
最低 | 59.8% |
平均 | 73.6% |
3. どんな内容なの?
テキストは8章構成となっており、巻末の付表を除くと分量は少ない部類です。ただし、「生命保険計理」は数式を使った説明が多く含まれるため、読み進めるのは他の科目以上に時間がかかるかもしれません。各章の概要は下記の通りです。
第1章 生命保険と死亡表
生命保険事業の存立の基礎となっている大数の法則死亡率、生存率の概念および死亡表の見方を理解し、死亡率生存率、平均余命などの計算ができるようにする。
第2章 現価と終価
現価終価の概念を理解し、複利表、複利現価表等を用いて各種計算ができるようにする。
第3章 保険料
保険計理の基礎となる収支相等の原則と保険料計算の原理を理解し、保険種類・支払方法別の純保険料に付加保険料を加味した営業保険料についても理解を深める。
第4章 責任準備金
責任準備金の概念を理解し、純保険料式保険料積立金が計算できるようにする。また、チルメル式保険料積立金についてもその考え方を純保険料式と対比して理解する。
第5章 解約返戻金と契約変更
解約返戻金の概念を理解し、簡単な計算ができるようにする。契約変更の方法と仕組みを理解する。
第6章 剰余金と契約者配当
剰余金の発生原因を利源別に理解する。契約者配当についてはその性格と現行計算方法の概要を理解する。
第7章 変額保険のあらまし
定額保険と異なる変額保険数理の仕組みを概観し、保険金額がどのように決定されるかを理解する。
第8章 団体定期保険と団体年金保険の数理
団体定期保険と団体年金保険の数理についてその原理を理解する。
※出典:生命保険協会「生命保険講座 生命保険計理」より各章のポイントを抜粋
4. 頻出単元とストラテジー
毎年少なからず不合格者を出す「生命保険計理」、一見難解に見えるかもしれませんが、数学は苦手で苦痛、そんな人でもメリハリをつけた対策をすることで、十分効率的に合格できます。
下記リンク先のnoteでは、過去問を独自に分析して抽出した頻出単元と、絶対得点したい問題をまとめたストラテジーを書いています。適宜ご活用いただければ幸いです。
その他参考
試験まで時間がない方は、ストラテジーにさっと目を通したあとで、テキストより先に過去問から取り掛かることをおすすめします。併せて過去問解説もご活用ください。過去問解説はこちら↓
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