1. 科目の特徴
「資産の運用」は、その名の通り生命保険会社の資産運用に焦点を当てた内容です。業界共通教育制度の中でもあまり触れられない内容で、横文字の専門用語が多く登場することもあり、難しいと感じる人も多い科目です。
2. 試験の難易度
平均合格率79.1%(8科目中6番目)と、生保講座のなかではやや難しい科目と言えます。合格率も年度によっては8割を下回ることもあり、変動が大きい傾向にあります。十分準備をして試験に望みましょう。
年度 | 合格率 |
---|---|
2008 | 63.1% |
2009 | 80.3% |
2010 | 84.2% |
2011 | 82.9% |
2012 | 81.4% |
2013 | 84.0% |
2014 | 81.0% |
2015 | 75.7% |
2016 | 74.3% |
2017 | 84.1% |
最高 | 84.2% |
最低 | 63.1% |
平均 | 79.1% |
3. どんな内容なの?
テキストは5章構成となっており、分量はやや多い方です。前半では資産運用の位置付けや実務について解説され、後半では国内外の生命保険会社の資産運用の状況や歴史がまとめられています。テキストの分量の約半分が前半の1章・2章に割かれています。各章の概要は下記の通りです。
1章 生保の資産運用原則と規制
生保の資産運用機能、金融仲介機能を理解し、日本の金融制度における位置づけ、金融機関としての役割を最近の生保金融の展開を踏まえたうえで理解する。生保資金の特徴にかんがみ、伝統的な運用原則の必要性、リスク管理の重要性を理解する。日本の生保の具体的な運用規制について理解する。
2章 生保の資産運用と実務
資産運用業務は投融資決定および投融資実務で遂行されるが、投融資決定については、単独制と委員会制、専門化の進展投融資決定部門の役割を理解する。貸付、有価証券、デリバテイブ取引、不動産海外投融資それぞれの内容と特徴および実務について理解する。
3章 諸外国の生保資産運用
諸外国の生保資産運用は、一定の共通性を有するが、生保商品、金融制度、証券市場、金融機関間の力関係など金融経済構造の相違によってそれぞれ独自の発展を遂げてきたことを理解する。
4章 日本の生保の資産運用の沿革
戦前、高度経済成長期、安定成長期、バブル崩壊後における生保の資産運用の特色と国民経済における役割を理解する。
5章 生保資産運用の今後の展開
日本の金融制度についての抜本的な見直しの経緯と今後の方向ならびに生保と金融制度改革の関係について理解する。
※出典:生命保険協会「生命保険講座 生命保険商品と営業」より各章のポイントを抜粋
4. 頻出単元
下記リンク先のnoteでは、「資産の運用」の過去10年分(2013-2022年度)16回の過去問を独自に分析し、頻出単元を割り出しました。独自に算出したカバー率をもとに、メリハリをつけてテキストを進めれば、効率的に学習を進めることができます。適宜ご活用いただければ幸いです。
その他参考
試験まで時間がない方は、テキストより先に過去問から取り掛かることをおすすめします。併せて過去問解説もご活用ください。過去問解説はこちら↓
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