1. 科目の特徴
「危険選択」は、保険会社を安定的に運営するために必須の要素で、大枠については業界共通教育制度で学んでいるため、それほど違和感なく学習に取り組める印象です。学習済の内容を深掘りしていくイメージを持って置けばよいでしょう。
保険営業の現場でも何かと触れる機会が多い内容であり、実務と比較的親和性が高い科目です。また、将来的に生命保険面接士試験を受験する予定がある人は、重複する内容が多いため、しっかり学習しておくことをおすすめします。
2. 試験の難易度
平均合格率91.1%(8科目中1番目)と最も合格率が高く、生保講座のなかでは簡単な科目と言えます。合格率の推移をみても、ほぼ90%以上となっています。しっかりと過去問を解いて準備しておけば、それほど苦戦することはないはずです。
年度 | 合格率 |
---|---|
2008 | 90.0% |
2009 | 91.8% |
2010 | 95.2% |
2011 | 93.3% |
2012 | 93.0% |
2013 | 90.1% |
2014 | 93.3% |
2015 | 91.8% |
2016 | 94.6% |
2017 | 78.0% |
最高 | 95.2% |
最低 | 78.0% |
平均 | 91.1% |
3. どんな内容なの?
テキストは8章構成で分量も標準的です。前半の章は学習済の内容が多く、後半の章に進むほど知らない内容が増える傾向です。各章の概要は下記の通りです。
1章 総論
危険選択を学ぶにあたって、危険とは、死亡率とは、 あるいは、告知とはといった基本的概念を理解する。
2章 危険選択の意義
危険選択の必要性を理解するとともに、保険料・保険金の仕組みが死差益にどのように影響するかを学び、適切な危険選択のあり方を理解する。また、危険選択上、被保険者集団の具備すべき条件を理解する。環境選択において様々な逆選択防止上の制限、基準が設けられている背景とその運用を理解する。
3章 実体的危険
実体的危険の測定要素として「体格」「現病歴、既往歴」「職業」等があることを理解し、これらが被保険者の死亡率に影響を及ぼしている状況を概観する。
4章 道徳的危険
保険契約の締結に際し生ずる逆選択の傾向に対し、どのような対策が講じられているかを理解する。
5章 危険選択の方法
危険選択の段階として「第1次選択」「報状扱契約における選択手段」「査定・決定」「契約確認」などの諸制度があるが、 それぞれの具体的方法およびその意義を理解する。
6章 具体的な危険選択
入院・手術保障のある保険の商品構成を学習するとともに、その保険の保険事故が発生する危険要素を理解する。また、入院・手術保障における「選択」においては、死亡保険との違いを理解し、条件体の特別条件付与方法を学習する。復活時の危険選択の考え方とその方法について理解する。
7章 再保険
再保険のもつ役割について理解を深めるとともに再保険の各方式についてその特徴を理解する。
8章 危険選択の結果の検討
危険選択の結果の検証方法について理解する。
※出典:生命保険協会「生命保険講座 危険選択」より各章のポイントを抜粋
4. 頻出単元
下記リンク先のnoteでは、「危険選択」の過去10年分(2013-2022年度)16回の過去問を独自に分析し、頻出単元を割り出しました。独自に算出したカバー率をもとに、メリハリをつけてテキストを進めれば、効率的に学習を進めることができます。適宜ご活用いただければ幸いです。
その他参考
試験まで時間がない方は、テキストより先に過去問から取り掛かることをおすすめします。併せて過去問解説もご活用ください。
過去問解説はこちら↓
生命保険講座の攻略ツールとして「過去問のハイライト」を開発しました。新形式の過去問9回分から頻出問題を抽出・再整理した、いわば頻出問題集です。
「過去問のハイライト」はこちら↓
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