- 外貨建保険販売資格の概要がわかります。
1. 外貨建保険販売資格とは?
外貨建保険販売資格は、生命保険会社の営業職員や代理店の担当者等が外貨建保険を販売する際のライセンスとして必須となった資格です。生命保険協会が主催する業界共通試験である「外貨建保険販売資格試験」に合格することで取得できます。2022年4月より施行され、約30年ぶりに業界共通教育制度に追加されました。
外貨建保険は低金利環境が続くなかで資産運用商品として販売が拡大。2010年代以降、一般への普及とともに銀行等代理店における外貨建保険に係る苦情件数は増加傾向にあった。
生命保険協会は、外貨建保険の基礎知識や募集方法について、業界としての教育体制の整備・充実化に取り組むため、業界共通教育制度に「外貨建保険販売資格試験」を追加。業界で共通化できる「外貨建保険の販売に必要な業務知識」や「苦情縮減に資するコンプライアンス・リテラシー」の向上を内容としたカリキュラムによる業界共通の教育・試験制度の導入に至った。
外貨建保険販売資格は、(変額保険販売資格と同様に)専門課程試験の合格と業界共通カリキュラムによる研修の履修を登録要件とし、2020年10月からの試験開始、2022年中の販売資格者登録制(=ライセンス化)を開始した。
2. 試験日程・試験形式・受験費用
- 試験日程:毎月開催(年間3回まで受験可能)
- 試験形式:CBT形式(Computer Based Testing、会場のパソコンを利用して実施する試験形式)
- 試験時間:40分
- 受験費用:2,500円
この試験は通年開催で毎月実施されており、受験可能回数は年間で3回までとなっています。
受験形式は他の業界共通教育制度の各試験と同様、CBT形式(Computer Based Testing、会場のパソコンを利用して実施する試験形式)となっています。試験時間は40分で、複数のフォームのなかからいずれか一つランダムに出題されます。また、試験問題は概ね半年で入れ替わります。
また本人確認書類以外のすべての持ち物が持ち込み不可。持ち物は受験前に会場に設置されているロッカーに収納することになります。受験費用(受験手数料)は2,500円となっています。必ず一発合格して、時間と費用を無駄にしないようにしたいところです。
机上にはノートボード(ホワイトボードみたいなもの)とペンがセットされており、ノートボードは試験中のメモ用紙として利用できます。受験前に下記のリンク「CBTによる受験の仕方」を確認しておきましょう。
生命保険協会 業界共通試験|CBTによる受験の仕方www20.prometric-jp.com
3. 合格点と難易度
- 合格点:70点
- 難易度:やさしい
テキストの内容を理解していれば合格できるかんたんな試験です。
変額保険の試験と同程度の難易度で、現状合格率は非公開ですが合格率は7~8割程度と推測されます。
他の業界共通教育制度の試験同様、難易度は高くありません。ただし、かんたんとはいえ勉強なしで合格できる試験ではないので、十分準備をして試験に望みましょう。
<参考:2008-2017年度の業界共通試験の合格率>
営業職員 | 代理店 | 内務職員 | 合計 | |
一般課程 | 88.8%-99.6% | 95.3%-97.0% | 99.2%-99.7% | 97.2%-98.2% |
専門課程 | 54.2%-73.3% | 69.8%-86.3% | 88.2%-94.7% | 62.6%-80.8% |
応用課程 | 44.8%-53.6% | 69.2%-78.4% | 82.4%-91.7% | 52.0%-61.1% |
変額課程 | 60.6%-77.8% | 68.9%-78.8% | 89.0%-95.7% | 68.4%-78.7% |
5. 資格の価値は?
外貨建保険を販売するには「外貨建保険販売資格試験」に合格し、ライセンスを取得する必要があります。2022年4月以降、有資格者でなければ外貨建保険を販売することができなくなりました。
難易度の低い資格なので資格そのものにあまり価値はありませんが、試験勉強を通して外貨建保険の募集を行う上で必要な知識をまとめて身につけることができます。
なお、外貨建保険販売資格は、他の生命保険会社に転職した場合は引き継がれない資格となっています。
※合格資格の復活が可能なのは、専門、応用、大学に限られる。
出典
・「「外貨建保険販売資格試験」の創設について」
https://www.seiho.or.jp/info/news/2020/20200221.html
・「生命保険協会 業界共通教育制度ってなに?」
https://www.seiho.or.jp/exam/education/
・「生命保険協会110年小史」
https://www.seiho.or.jp/data/publication/history/pdf/all.pdf
・「CBT試験概要」
https://www.seiho.or.jp/exam/cbt/
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